ご案内

販売データという「量」に関する情報を分析する能力が、優れているだけでない。
消費者が何を欲しがっているかなどの「質」の情報を活かすノウハウも、優れているのである。 これはキーエンスの営業マンが生産現場の声を製品開発に活かしている発想と同じだ。
コンビニエンスストア業界のトップを走るSは、98年2月期の売上高が2771億円、経常利益は220億円で、小売業のなかでも群を抜く高収益企業である。 この高収益体質の秘密は、その徹底した「情報活用」にある。

同社では小売業を「情報システム産業」ととらえ、1978年より総合的な店舗情報システムを構築してきた。 コンビニエンスストアというのは、およそ100平方メートル(30坪)の店舗面積のなかで2800点〜3000点の商品を扱っているような世界である。
小さなスペースで、多くの商品を扱っているため、大手小売業以上にスペースの効率的な利用が重要となってくる。 売場に売れ行きの悪い商品をいつまでも置いておけば、その分売れ行きのよい商品を置く場所がなくなってしまい、商機を逃してしまう。
こうしたことを避けるためには、商品一つひとつの動きを正確に把握し、どの商品がどんなときに売れ、どの商品が売れなくなってきているのかということを、店舗経営に活かせるようにしなければならない。 これをSでは「単品管理」と呼び、創業以来の重要な経営方針としてきた。
一品一品、売れる商品、売れない商品に分けて、売れない商品はどんどん排除し、売れる商品を店頭に陳列する。 そのために、さまざまな情報を収集し、非常に細かく分析していく。
そして、これらの情報をもとに、各店舗のオーナー一人ひとりが「今日何が売れるのか」という仮説を立て、その分の商品を発注し販売する。 最後に実際に売れたかどうかを検証し、次の発注のための仮説立案に活かしていくのである。
こうした「単品管理」に大きく貢献してきたのが、総合店舗情報システムである。 現在は、第5次総合情報システムを97年2月よりスタートさせている。
S・ジャパン広報室総括マネジャーのA氏によれば、東京都江東区豊州の1号店が、74年5月に誕生したときには、一店舗の1日の売り上げが、35万円程度。 お店の在庫が1300万円から1400万円ぐらいあったというが、現在では、全国平均で売り上げは68万円に上昇、在庫金額は540万円に減少しているということである。
この間、店舗面積がほとんど変わっていないにもかかわらず、売り上げが倍になり、在庫が半分以下になっているのである。

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